太陽光発電の遠隔監視システムとは?メリットやよくあるトラブルの種類について解説

 

太陽光発電所の遠隔監視は、計測機器・センサーやカメラのようなデバイスからの情報を通じて、発電所から離れた位置にいても設備の稼働状況や空間の様子を一元的に監視することを指します。発電所のトラブルの早期発見・解決が可能なだけでなく、トラブルの影響を最低限にとどめ、売電損失を最小限に抑える上でも欠かせません。

この記事では、太陽光発電の遠隔監視システムについて詳しく解説します。遠隔監視システムを導入するメリットや遠隔監視で異変を感知できる代表的なトラブルをご紹介します。

 

太陽光発電の遠隔監視システムとは

太陽光発電の遠隔監視システムとは、発電所が正常に稼働しているかを離れた場所でも常時監視できるようにするシステムのことです。太陽光発電所は一般的にアクセスしづらい場所に建設されることが多いため、離れていても手元のパソコンやスマートフォンで状況把握できる遠隔監視システムは欠かせません。

まずは、太陽光発電の遠隔監視システムの必要性と弊社で実施している遠隔監視について詳しく解説します。

遠隔監視システムの種類

太陽光発電の遠隔監視としてどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、弊社が実施している遠隔監視を例にいくつかご紹介します。

連系変電所の状態監視

弊社では、遠隔監視システムによって、太陽光発電所と連系している変電所の状態監視まで実施しています。発電所・変電所などの稼働状況を365日体制でモニタリングしており、自然災害やトラブルが生じた際、早急に対処できるよう対策しているのが特徴です。

パワーコンディショナの運転監視

パワーコンディショナの運転監視も弊社で実施している監視です。パワーコンディショナは、太陽光発電で生み出された直流の電力を交流の電力に変換する装置のことです。
パワーコンディショナの不具合が発生すると、発電量が低下して売電損失が生じたり、最悪の場合停電するなど様々なトラブルにつながるため、遠隔監視によって、パワーコンディショナが正常に運転しているかもチェックしておく必要があります。

太陽光モジュールのストリング単位での監視

太陽光モジュールのストリング単位での監視も弊社では行っています。ストリングとは、モジュール(セルを組み合わせた1枚の太陽光パネル)を直列に組んだまとまりを指します。

ストリングのデータを測定・監視することで、相対的に比較しつつ、不具合箇所を早期発見することにつながります。

メガソーラー発電所になると、数万〜数十万枚の太陽光パネルから構成されるため、発電量の低下といった兆候からどのストリングのパネルが故障または劣化しているかを早期に判断することが重要です。このため、ストリングごとの電流値などを常時監視することで、トラブルが発生している箇所を早期に検知できます。

 

太陽光発電の遠隔監視システムのメリット

遠隔監視システムによって、急激な発電量の変化があった際に通知を送ったり毎日の発電量の変化をチェックしたりできます。場所や時間に関係なく太陽光発電の稼働状況を確認できるためということなので、トラブルの早期発見・解決や売電損失を最小限に抑えることが可能となります。

太陽光発電所は、長期間運用が基本となるものです。そのため、発電所で生じる売電損失を最小化させるうえでも欠かせない仕組みといえるでしょう。

太陽光発電の遠隔監視システムを導入する主なメリットは、以下の通りです。

  • 不具合・トラブルの早期発見・解決が可能
  • トラブルの影響を最小化できる
  • 売電損失の最小化を図れる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

メリット1. 不具合・トラブルの早期発見・解決が可能

遠隔監視システムによって、不具合・トラブルを早期発見・解決できます。発電所から離れた位置にいたとしても、遠隔監視によって常時稼働状況を確認できるためです。

遠隔監視を実施していないと異常が生じたとしても、気づくのが遅れる可能性があります。遠隔監視システムの場合、急激な発電量の低下などが生じるとアラーム通知で知らせることで短期間でトラブルの解決を図れます。

メリット2. トラブルの影響を最小化できる

遠隔監視システムによってトラブルの早期発見・解決が期待できるため、結果としてトラブルの影響を最低限に抑え、売電損失の発生を最小化できるのもメリットです。

例えば遠隔監視をしていない場合、一次トラブルの発生に気づけない、もしくは気づくのが遅れるため、トラブルの長期化(売電収入の減少)につながります。また、一次トラブルの原因がケーブルの断絶などの場合は、火災の発生など二次トラブルにつながる可能性もあります。

遠隔監視によって不具合・トラブルの早期発見・解決することは、発電所の安全面・効率を維持した運用を考える上でも非常に大切です。この点からも、遠隔監視システムのメリットは非常に大きいといえます。

 

太陽光発電所の遠隔監視システムで気づけるトラブル例

太陽光発電所の遠隔監視システムで気づける代表的なトラブルは、以下の通りです。

  • 電力の系統停電
  • ストリングの電流値異常
  • 通信異常

それぞれの内容について詳しく解説します。

電力の系統停電

太陽光発電所の遠隔監視システムによって、電力の系統停電によるトラブルの早急な発見・対処が可能です。

自然オペレーションズの場合、パワーコンディショナの故障・不具合やブレーカーの一部落ちなどが生じた場合でも早期解決できます。遠隔監視でパワーコンディショナを起動できる場合は実施します。電力会社の系統事故後に再連系する場合は電力会社の通知受領後、または個別に確認してから復電作業を行います。連系変電所の常時監視も365日体制で実施しているため、設備関連のトラブルにおいても早期解決が可能です

ストリングの電流値異常

上記パラグラフでもご説明した通り、太陽光パネルやその周辺機器など、発電部分にトラブルが生じた場合でも、広大なパネルエリアの中から遠隔監視システム経由の検出によって早期の原因箇所の特定が見込めます。また、ひいてはそれが原因の早期解決につながります。

通信異常

太陽光発電では、電気設備以外にも様々な通信制御が行われているため、通信異常のトラブルも発生します。太陽光発電所の通信異常は、NTT回線・ルーター・ロガー・パワーコンディショナなどさまざまな要因が考えられるのが特徴です。外観による目視点検での特定が難しく、異常可能性のある個所を切り分けて特定できる専門的な知識が必要となります。中でも、パワーコンディショナの情報が見えなくなった際は問題の切り分けが難しくなります。

弊社では、独自の基準をもとに通信エンジニアが対応を行っており、通信異常に関しても、原因の早期解明からトラブルの早期解決まで対応します。

 

自然オペレーションズのオペレーションセンターで展開しているサービス

弊社は、太陽光発電所を含めた自然エネルギー発電所の運営・保守(O&M)事業やアセットマネジメント事業、発電所の改修工事などを行っています。国内拠点に加え、インド拠点とも協力して、管理している発電所全てを常時監視しています。

太陽光発電所の一部では前述のようにストリングごとの監視も行っています。年末年始を含めた365日、専任チームが太陽光発電所を監視します。これまでの経験で培われた豊富なノウハウを活かし、さまざまなトラブルの早期発見・解決が可能です。

 

まとめ

太陽光発電所の遠隔監視は、発電所で生じるトラブルの早期発見・解決を図ったり、売電損失を最小限に抑えるためにも欠かせないものです。長期運用が前提である産業用太陽光発電所だからこそ、日々の細かな遠隔監視とトラブルの早期復旧可否が、事業性に大きな影響を与えます。機器トラブルは電気だけでなく、通信に関するトラブルにも早期復旧ができる体制が組まれていることが重要です。365日の監視と、トラブル発生時の包括的な復旧体制をご検討ください。

また、いざトラブルが発覚し、発電所に駆けつけて機器類を復旧させようとしても、日常的な手入れがされていない場合、雑草や雪、アクセスルートの劣化といった物理的な障害で復旧場所までたどり着くのが難しい例もあります。日頃から除草を含めた発電所のメンテナンスをしておくことが早期復旧には非常に大切です。

弊社では、遠隔監視によるモニタリングを含めた、さまざまな業務に対応しています。メンテナンス面では、除草や、太陽光モジュールの洗浄、土木工事、リパワリングなど幅広いサービスを提供しています。これまでの経験で培われたノウハウから、売電損失を最小限に抑えるための保守・運用をご提案いたしますので、ぜひご相談ください。

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